2005年10月16日

小川一水「疾走!千マイル急行 上・下」


んー。
久しぶりに「なつかしきソノラマのライトノベル」を読んだような感じだ。富士見とか電撃ではもうこういう本は出ないよなー。
どこがどう違うと言われても困るんだけれども。
小川一水作品で今まで一番感動したのは「導きの星」だけれども、いちばん好きなのは「まずは一報ポプラパレスより」のシリーズで、なんとなく本作はそれと同種の香りがするよ。
(なんか懐かしかったので5年くらい前に描いたポプラパレスのグリーナ殿下を置いてみるよ)

基本的に小川さんはハッピーエンドにこだわる人なので、ある意味予定調和的に安心して読めるんだけど、途中の描写としては生身の人間が対空機関砲の直撃で血煙になったり原爆に被爆したり少女が全身グズグズになる病気に罹って死んだりもするのでけっこう油断がならない。本作もソノラマだからきっと大丈夫と思いながらも「イカロス」もソノラマだったのでけっこうハラハラと読んだ。

途中の山城攻略のくだりはある意味お約束とも感じられ、やや消化試合的な印象があったけれども話の進行上仕方ないか。これまでの作品でかなり前面に出ていたボーイミーツガール色がやや控えめになっている。中心の謎もそれほど意表を衝かれない。じゃあ何がテーマなのかと思うんだけれどもやっぱり「装甲列車」じゃないかなあ。装甲列車が並行砲戦する本だというだけで買う価値があると思う人もいるだろう。

総評として、「ガツンとくる何かは無いけれども素敵な話」。まさにソノラマの文庫カラーそのものともいえる。

挿絵、「ハイウィング・ストロール」に続く長澤真。ハイウィング〜の飛行機はどうも飛ばなそうだ、と思っていたら鉄道はすばらしい。人物は例によってデッサンが微妙。
装甲列車というと田中芳樹原作ふくやまけいこ画の「アップフェルラント物語」が刷り込まれているのでなんとなく読んでいる間はふくやま絵で展開されていた。
posted by 某ササキ at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 今読んでる本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/8221008
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。