2005年01月13日

ニート


あちゃぞうさんトコの記事を読んでいたら思い出した記事があったので、探したらあっさり出てきた

論の全体としては、「ニートという状態」について、あちゃぞうさんは個人に原因を求めていき、対してR30の人は社会環境に原因を求めていくという、正反対のアプローチを見せている。
ただ、「ニート=カジテツ(≒専業主婦)」という共通のキーワードが現れるところから見えるように、「ニートは新しい概念ではなくて、ただこれまで存在していたけれども名前のなかったあのああいうあれに名前がついただけなんだ」という気づきが双方の論の根底にある。
興味深いのは、その「あのああいうあれ」へのイメージというか印象が両者で決定的に異なる点だ。この違いによって、一度は交差した論の行き先はまた違う方向へ向かっていく。

僕自身は、どちらかというとR30の人の意見に近いと思う。実際、「ヒモって理想の生き方のひとつでしょ」とか言っていたことがあるし。最近はまた違う考えだけれども。
その理由を考えるに、たぶん男性というのはほとんど無意識に「ほんとうは社会に出て働いてなきゃいけない自分」というのを小さい頃から想定していて、「そうしなくてもいい自分」というものに無責任な憧れを感じてるんじゃないだろうか。「実際にはニートではない人」ほど、この傾向が強いように思う。極論すれば、たまにドキュメンタリーで農村とか南太平洋の小島とかののどかな暮らしぶりを見て、「こういう人生もいいよな」とか言う心境に近いんじゃないかと。実際には農村生活どころかネットとエアコンとテレビのない生活には耐えられないくせに、だ。一種の現実逃避とも言える。

対するあちゃぞうさんにとって、ニートという状態は隣の青い芝ではなく、現実に目の前に横たわっているものだ。他人事ではなく、「さすがにだめだろ、このままじゃ」という感覚がある(んではないかな? と想像する)。
ただ、現在の自分に至るまでの過程というのももちろん知っていて、その流れ自体はすごい不自然だとか失敗とは思ってない。だから(自分に限らず、そういう状態の人を)変えるのが「難しい」感じがするんじゃないかな、と僕は思う。抜け出すきっかけというか、差し迫った必要性がない。社会機構がむりやり必要性をつくると、それは本来の対象じゃない人も巻き込んだ弾圧になってしまう。

「ニートであることは、(食わせてくれる人が健在である限り)個人や家庭のレベルではそれほど致命的な問題ではない」というのはじつは事実であって、それがいろんな人の戸惑いを生んでいるんではないかな。
「えーっ、駄目じゃん、働かないでそのままでいいわけないじゃん」とはほとんどの人がなんとなく思うんだけれども、働かないでいれば目の前に差し迫ったどん詰まりや窮乏状態が現れるかというと、そういうわけでもないし、いざ「明日の米がない」事態になってからあわててバイトを探しても、たぶん遅くない。「仕事を選ばない」という最後の手段さえ選択すれば、絶対に食いっぱぐれない社会に住んでいるという実感がある。
ということは、「扶養者が扶養してくれなくなると同時に自分も病気かなんかで働けなくなる」なんていう比較的レアな事態が発生しない限り、危険な状態にはならないわけだから、当初思うほどにはハイリスクじゃないわけだ。
じつは個人のレベルでの「ニート問題」なんて、本当は存在していないんじゃないだろうか。「問題だ」という気がするだけで。

ただ、日本という国家のレベルで考えればこういう層の増加は確実に国力の衰亡を招くので、放置しておくわけにはいかないだろうし、だから「問題ですよ!大問題なんですよ!」という意識をいろんなところが煽るのだろうね。
僕らが感じる「なんとなくこのままじゃ駄目だろう」感の半分は、そういう植え付けのせいだと思う。

残りの半分は、あちゃぞうさんの言うような「社会的な顔があると便利」といったような、主にソーシャルな部分の欲求なので、それが現状でそれほど気にならない人は、とくにそのままでいいんじゃないですかね。と、他人事だと思って無責任にコメントしてみます。
やっぱそういうソーシャルな欲求も大事、と思う方はがんばって脱出して下さい。幸運を祈ります。

僕はソーシャルな欲求の塊ですんで、よっぽどの代償行為を見つけない限りは、ニートにはならないんだと思います。休日は持て余すタチだしな。ワーカーホリクー。

posted by 某ササキ at 18:02| Comment(9) | TrackBack(2) | 長文語り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
gekka blogを見て、「せっかくだから僕も書いておこう。」を読んでトップに飛んだらじぶんの名前が書いてあってびっくりしました。
取り上げていただいてどもです。
とても面白く読ませてもらいました。
個人的には、やはりこのテーマは自分と関わりが深すぎて客観性がない書き方しちゃったかなぁとちょっと反省しました。精進します。(これいつも言ってるな)

あ、あと「勝手リンク」のひととの戦いお疲れ様です。ひっそり応援してます。
Posted by あちゃぞう at 2005年01月14日 09:10
どうもです。
当初はあちゃぞうさんのところにコメントとして書くつもりだったんですが、長くなりすぎたので自分のところに書きました。
応援ありがとうございます。お知り合いにいい弁護士の方が居たら紹介して下さいw
Posted by boussk at 2005年01月14日 09:45
はじめまして。
ニートの事が書いてあるのでコメントさせていただきました。

ニートに対しては世間からの風当たりも厳しく、さらにネット上ですらもニート批判が渦巻いています。
そのような現状に対して、私はせめてネット上ぐらいはニートも楽しくあるべきである、
という気持ちから「NEET portal」というニートのためのコミュニティ・ポータル・サイトをつくりました。
URLは
<a href="http://neetportal.com/">http://neetportal.com</a>
です。
ニートの皆さん、是非是非ご利用ください。逆境に負けず、楽しくやっていきましょう!

(管理人様、この書き込みがお邪魔でしたたら、お手数ですが削除していただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。)
Posted by NEET portal webmaster at 2005年02月12日 23:56
私も去年大学を卒業し、就職もせず、かつフリーター
でもないニートになりました。
ただ、大学時代にアルバイトして貯めた貯金で何とかやってますし、なにより、自分は資格試験目指して勉強中です。
ニート批判が高まるにつれて、かなり自分のやっていることに不安を感じます。やはり、いくら司法浪人とはいっても、外から見れば、ニートなわけですから。
なんか、無気力人間だと思われている自分が情けなくてなりません。
いい加減、漠然としたニート批判とかやめてくんないかなー。と、思う今日この頃です。
Posted by こみっく at 2005年02月28日 14:04
勉強中の人はNEETじゃないんじゃないかな。EのいっこはEducationだから。自己学習もEducationだよね?大学浪人はニートじゃないよね?

無気力な人間をNEETと呼ぶのであって、ニートが無気力なわけではないと思います。
というわけで強く活きろ〜!
Posted by boussk at 2005年03月01日 20:56
初コメントです。
僕は高校に進学せずそのままニートになりましたが、3年後になって勉強をしたくなって通信制高校に入学しました。
同級生が大学等に進学を考える時期になって、自分がこのままじゃ不安だと思ったからです。
そして、在学中に大検を取得(合格)し20歳の今年の受験シーズン(1月〜3月)に大学受験に挑戦しましたが失敗。
親に許可をもらい、今は大学浪人です。
僕の思考は大学受験の失敗から今まで、親に迷惑(経済的負担)をかけているんだから受験をあきらめ仕事をしたほうがいいのかとぐるぐると頭の中で回っていました。
でも、夢を叶えたいために勉強中です。
ニートを自覚しておられるなら一度でいいから何かに挑戦し失敗も覚悟でやってみることです。
それは、金銭的負担も覚悟してほしいです。
家族と同居なら今しか協力してもらえないかもしれません。
Posted by sk2 at 2005年04月06日 19:39
勉強と言う名の大義名分を働かない理由にする怠け者がにーと君でしょ
働きながら資格試験の勉強している人は世の中たくさんいますよ。
とにかくニート君の怠けるための屁理屈はおもしろいです。将来は明るいアウトドア生活ができそうですね。
Posted by ぷう at 2005年09月30日 01:26
ニート=怠け者っていうのは短絡的だよな。
よく昔から高卒のガテン兄ちゃんが言うように、大学生は親のスネかじりなんていうが、今の大学生自体(大学の4年間)がほとんどニートみたいなもんだ。
そして、多額の学費を払って、社会に出てもほとんど役に立たないことを勉強して、うまくいかなければ社会に出られない。これっていうのは高校浪人みたいなもので、高校ってのはほとんどの人が入るので、中卒時点で高校に入れないと放り出された状態になる。大卒も同じで、ここで新卒で入れないと中途採用のチャンスを失い社会から放り出される。
結局大学なんてのは自己満足の研究しかやらなくて、社会との接点をもたないので、ここで波に乗らないとニートになりやすくなる。
その中にも親のコネで就職できてニートを脱出できたやつや、金があるからニートでもいいっていういろんなやつがいるはず。しかも、一人っ子とかだと余計にプレッシャーはかからない。
ただし、昔は音楽がやりたいやつ(芸能界で下積みしながらバイト)とか司法浪人とか、ニート(本来これ自体意味を間違えているが)って言わなかったはず。
だってそうだろ、みんなスターになったわけでもなければ司法試験20年受けてもうからなかったやつもいたわけよ。そういう人たちだってなんとか生きてる。
むしろ、こういう人たちを無理矢理どこかに押し込んでしまおうっていう考えが間違ってるわけよ。
政治家だってそうだろ?選挙に落ちたら何か兼業でもしてなかったらニートだよ。その中では政治家は専業であるべきとかいう批判もあるけど専業じゃ4年(or6年)の就職活動失敗したらニートだよ。
まあ最近農協や役所に経歴不明の受験者が多いけど、このような人達なんだと思う。
要するにあまり気にしない方がいい。ニート、ニートと騒げば該当の人は余計に社会に出られなくなるし、フリーターだって親に学費返したりしてればいいわけよ。今のニート論は90年代後半の引きこもり性悪説を拡大解釈したものであって、これはメタボリックシンドロームみたいなもんで、従来からあった出来事をの問題として意図的に作り出しているように思える。
よく引き合いに出されるのはニートが増えると社会保障が成り立たなくなるなどというが、そもそも企業側も社保逃れのためにいろいろな雇用形態を模索している。そしてその社会保険制度自体にも不信感が強い。
ただし、経営者としてもない袖は振れない。ニート排除論なんてやるくらいだったら、こんなことくらいでもたなくなる社会保険制度は再構築するべきだよ。
だいたい国民年金の保険料なんて、制度発足時から140倍になっている。それに対して年金計算上、物価は12倍相当だ。給付も当時払った人(旧法)に比べ減った。そして、生活習慣の変化から平均寿命が下がるかもしれないといわれる将来に、70歳開始に引き上げの検討など、こんな制度自体がもつわけがない。このような制度がもたないからニートのせいだとかいうのは責任転嫁にしか見えない。
Posted by 古事記 at 2006年08月28日 08:50
補足
物価の12倍というのは厚生年金保険料の再評価率から導き出した数字。また、国民年金保険料は11年後には昭和36年(100円)の169倍になる予定。
Posted by 古事記 at 2006年08月28日 08:56
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